こんにちは、鳥山です。
さて、前回に引き続き、今回は大学入試改革の目玉の一つである、「英語民間試験」についてご紹介していきます。
この「英語民間試験」ですが、最近ニュースでも取り上げられている通り、2024年度まで見送りが決定され、各所で物議を醸しております。
英語民間試験って?
正式名称は、「大学入試英語成績提供システム」と呼ばれています。
これは大学入試センターが複数の民間の英語資格・検定試験(英検やGTECなど6団体7種類)の成績データを一元管理して各大学へ送付する仕組みです。
文科省では英語能力の項目として「読む・聞く・書く・話す」の4技能を掲げています。
このうち、「読む、聞く、書く」は「共通テスト」で耐えうるとされていますが、どうしても「話す」能力は時間の問題や基準が曖昧になり、日程が定められた全国画一の共通テストでは難しいとされていました。
そこで、英検やGTEC等民間の試験団体に上記項目を含めた、受験生の英語能力の算定をしてもらい、その結果を各大学に送り、入学判断基準の材料にしてもらおうというのが趣旨でした。
4~12月の間に現在の高校2年生相当の子どもらが最大2回受験する仕組みとなっております。
文部科学省が 10 月末に公表した調査結果によると、国立大の 95%、公立大の 86%、私立大の 65%が何らかの形で、2020 年度に実施する入試(2021 年度入試)で成績提供システムを利用すると表明していました。
何故導入が見送りになってしまった?
ところが、ニュースでもご存知の通り、2019年11月文科省側から、英語民間試験の導入が先送りになる旨、発表されました。
萩生田文部科学大臣は会見で、英語民間試験の利用が「経済的な状況や居住している地域にかかわらず、等しく安心して受けられるようになっていない。これ以上、決断の時期を遅らせることは混乱を一層大きくしかねないため、来年度(2020 年度)からの導入を見送った」としております。
問題点をまとめると、以下になります。
■民間試験を受験できるロケーションに地域格差がある
47都道府県で受験できる民間試験は、日本英語検定協会が実施する実用英語技能検定(英検)とベネッセコーポレーションの GTEC だけで、他の5種類の試験は10~26都道府県・地域と受験会場が限られています。
これでは、地方に住んでいる受験生と、都市部に住んでいる受験生で選択の幅に差が生じてしまいますよね。
■民間試験は何回でも受けられるため、裕福な家庭とそうでない家庭で格差が生じる
民間試験を受けるのには当然受験料が発生しますが、1回の受験料が2万円をこえる試験があり、成績を活用できるのは2回分。しかし、経済的に裕福な家庭は「腕試し」として何回も受けることが可能であり、試験自体の問題傾向やペース配分、試験の雰囲気等、アドバンテージを多く得ることができます。
また、こうした受験生の心理を利用し、試験団体が営利目的を前面に出してくる危険性も指摘されています。
今後英語民間試験はどうなってしまう?
文科省の対応によると、英語民間試験は2024年度まで延期となりました。
やはり上記で述べたような格差や試験結果の適切な運用など、定めきれなかった部分が多かったのでしょう。
ただ、民間試験の導入はゼロベースになった訳ではなく、どのように受験生に受け入れられるかをブラッシュアップした上で、2024年度以降の導入へ政府も動いていく方針です。
遅かれ早かれ、今の大学受験の様相は大きく変わっていきそうです。
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